北國新聞で「だいたいしあわせ」を連載する阿川佐和子さんと、金沢市に創作拠点を持つ作曲家・ピアニストの松本俊明さんによる「バラエティートーク&ライヴ『どっちもどっち』」は10月24日、金沢市アートホールで開かれ、軽妙な掛け合いや即興演奏で会場を沸かせました。能登半島地震を受けて松本さんが手掛けた新曲も披露され、来場者は被災地に思いを寄せました。
「いしかわ秋の芸術祭文化絢爛(けんらん)」の一環で企画され、同芸術祭実行委、石川県、一般財団法人県芸術文化協会が主催、北國新聞社が共催しました。以前から親交があり、ともに金沢と関わりのある阿川さんと松本さんが、北國新聞社などに届いた2人へのお便りを題材にトークを繰り広げました。
2人と同じく心配性だという人からは「大体が取り越し苦労で終わる」として助言を求められ、松本さんは「最悪のことを想定していれば実際に何か起きても軽く済んで良かったと思える」と指摘。阿川さんは「私も若い頃はそうしていたが、年を取ると寝れば忘れる。これは神様からのごほうび」と述べ、来場者から笑い声が上がりました。
会場からお題を募って松本さんが即興で曲を作ったり、来場者とピアノを連弾したりする場面もありました。
能登から訪れた人もおり、阿川さんは冒頭、「私たちの話がささやかにでもなぐさめになれば」と被災地を思いやりました。松本さんは能登をイメージした新曲「Noto」や、自身が手掛けたMISIAさんの「Everything」などを演奏した。会場には被災地への募金箱を設置しました。
最後は松本さんがこの日のために作曲し、阿川さんが作詞した「会いたい」を披露し、阿川さんが約50年ぶりだというギターを爪弾きながら熱唱しました。